Ep.34＿教えて ページ25
おいしい
一転して、洞窟の中で、皆で固まってご飯を食べている。
そこで出された、レイが作ったという食事を口に運んでいる。
のだが、
「何これ」
意味がわからないほどに美味しい。何だこれ
「料理」
誰だってそんなことは承知の上なのだよレイ君。
全体から滲む彼らしさを否定はしないが。
「なんでなんで！？どうやったらこんなにおいしくできるの！？」
「別に……ムジカに教わった通りつくっただけ」
『ウソ言え！なんか全部適当だったじゃないか！』
「じゃ才能だわ」
「チクショー！」
弟妹たちも声を上げている。
「二人も上手に火を起こせたわね」
「えへへ」
ムジカの言葉に、マルクたちが得意げに笑う。
『(…なんか、いいよなぁ)』
「どうした？」
Aの顔を覗き込んで、レイが尋ねる。そんなに表情に出ていただろうか。
『いや。別に何も』
「…嘘が下手になったな」
皮肉かよ、と思わず表情筋が緩む。
口角が少し上がる。
それを敢えて止めようとはせずに、Aは柔く微笑んだ。
『…確かにね』
・
＿＿＿3日目
大分進んだだろう。迷路を伝った為、遠回りではあるけれど。
「成程、南東…そっちの方角へ行きたいのか」
エマ達の話を聞いて、ソンジュが頷きながら言う。
「だったら、森を北側から抜けて回り込んだ方がいい」
「北から？」
「このまま南東に真っすぐ進むと、森を出た先に二度“野生鬼”の縄張りがあるの」
ムジカが、ソンジュの話に補足し教えてくれた。
「その点、北から回れば荒野があるだけ。
鬼の集落もないから、五日もあれば森を抜けられる。
その後は、一日歩けばお前達の目的地だ」
「その間少しだが覚えるといい。
俺とムジカで教えよう」
「この【外】を生き抜く最低限の知識と技術を」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 86人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
篠瀬(プロフ) - しゅーさん» 本当だ…！コメントに加え教えていただきありがとうございます！訂正致しました。返信も遅くなってしまい、申し訳ありませんでした… (1月9日 21時) (
レス) id: e526e5a105 (このIDを非表示/違反報告)
しゅー(プロフ) - とてもおもしろいです！でもEp37の・2個目の、ザッツライトはLのLightじゃなくてRじゃないでしょうか！それだけ気になったのでコメントさせていただきました！すごくせっていすきです！！ (11月21日 1時) (レス) id: 3ac2e26472 (このIDを非表示/違反報告)
篠瀬(プロフ) - 返信が遅くなってしまい申し訳ありません…！コメントありがとうございます！読者様の存在が、更新の大きな励みになります！ (6月18日 13時) (レス) id: e526e5a105 (このIDを非表示/違反報告)
レイ好き - 最高です！！2023 年にもなるとなかなか約ネバの新小説が無かったんですが現代進行形で投稿されてて感動しました…！続き頑張ってください！ (2023年2月8日 19時) (レス) @page1 id: 8ac00127f2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：篠瀬 | 作成日時：2022年11月29日 8時
