Ep.28＿81194 ページ12
「来いよ。こっちだ、そうだ」
人間を見失い、匂いで彼らを追おうとしていた野良鬼。レイは姿を見せ、自分の方へと誘う。
「来い！」
死なないと決めた。
Aも死なせない。勿論、家族も。
あと少し。
さぁ、お前だけが地獄へ落ちろ!!!
あと、一歩＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿何？
ヤツの…鬼の首が＿＿＿飛んだ？
野良鬼の頸部の断面から、血が止め処無く溢れ出す。レイが状況を把握する以前に、血飛沫は上がっていた。
「案の定間一髪だった」
低く、人間離れしたおぞましい声。
「見つけました。直ちに連れ戻します」
＿＿＿＿追手だ。
レイが舌打ちする。
あと少し、あと一歩だったというのに。
＿＿＿＿Aは無事か!?
思考の飛躍。
もう大分離れているだろうが、ここからでは分からない。
知る術も知らす術もない＿＿＿＿どうする。
いや、逃げるしかない＿＿＿＿が。
敵の数＿＿＿まだ他にいる。もっと多い。2匹じゃ少なすぎる。
それにリーダー格の鬼。
あの首を
巨体を
一撃で斬り飛ばした！！
一撃で…！
数も力の差もありすぎる。
どう動けばいい。
どう逃げる。
せめて、家族の＿＿＿Aの、安否が知りたかった。
「どうだ」
一人がもう片方へ尋ねる。
「こいつ喰っていません」
尋ねられた鬼が、野良鬼の頭を突き刺しながら答えた。嫌な音を立てて、無数にある眼球が潰される。
「口の中から人間の匂いがしない…こいつには一匹も食われていません」
「…！！」
そうか。
ひょっとして、こいつらは＿＿＿＿
それなら。
「そこにいるんだろう?
出ておいで」
人により近い体型をした鬼が声をかけてくる。
猫撫で声で、レイが自ら身を差し出すのを誘っている。
「危なかったね。無事で良かった。
もう大丈夫。化物は退治したから」
「だから出ておいで」
気色の悪いほどの変わりようだった。
「……引きずり出しますか」
部下らしき鬼が身を乗り出す。
「いや、いい。下がっていろ」
＿＿＿静止させた。
あくまで穏やかに、傷つける可能性を限りなくゼロにしたいんだろう。
「君一人かい？他の子はどうした？
わかったろう？外で生きるなど不可能。
さぁ、お家へ帰ろう」
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篠瀬(プロフ) - しゅーさん» 本当だ…！コメントに加え教えていただきありがとうございます！訂正致しました。返信も遅くなってしまい、申し訳ありませんでした… (1月9日 21時) (
レス) id: e526e5a105 (このIDを非表示/違反報告)
しゅー(プロフ) - とてもおもしろいです！でもEp37の・2個目の、ザッツライトはLのLightじゃなくてRじゃないでしょうか！それだけ気になったのでコメントさせていただきました！すごくせっていすきです！！ (11月21日 1時) (レス) id: 3ac2e26472 (このIDを非表示/違反報告)
篠瀬(プロフ) - 返信が遅くなってしまい申し訳ありません…！コメントありがとうございます！読者様の存在が、更新の大きな励みになります！ (6月18日 13時) (レス) id: e526e5a105 (このIDを非表示/違反報告)
レイ好き - 最高です！！2023 年にもなるとなかなか約ネバの新小説が無かったんですが現代進行形で投稿されてて感動しました…！続き頑張ってください！ (2023年2月8日 19時) (レス) @page1 id: 8ac00127f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：篠瀬 | 作成日時：2022年11月29日 8時
