気恥ずかしい ページ34
----------------はるさめ視点----------------
何日か前の話｡
大学からの帰りのこと｡
そういえば今日撮影あるなぁ…急がなきゃ｡とか思いながら駅の改札を通った｡
丁度ボクの後ろから6人の女子高生達が仲良さそうに改札を通るのが見えた｡
皆物凄く仲が良さそうで､それぞれボクらのイメージカラーと同じ色の色違いでお揃いのリボンを付けていて､
『同級生かな？同級生ならワイテルズみたいだな｡』
ってことを考えてたら､1人の鞄から何かが落ちた｡
言わないとだよな…とか思って落ちた何かを拾い上げてみる｡
よく見るとそのキーホルダーはボクの缶バッジだった｡しかも丁寧にプラスチックのカバーで傷が付かないようになっている｡
マジか｡ボクはこれを6人の誰かに渡すのか｡
「あの､落としましたよ？」
恥ずかしかったけど勇気を出して女子高生にそう声をかける｡
A「落としてるって〜｡」
E「え？マジ！？あ､ありがとうございます｡」
案の定と言われれば案の定なんだけど､黄緑色のリボンを付けているボクと同じぐらいのショートヘアの子の物だった｡
背が高いのがなんか羨ましい｡
そして改めて彼女達の鞄を見ると､それぞれメンバーは違うけど､アオハルズのグッズが付いていた｡
赤いリボンと黄緑色のリボンの子にはそれぞれの兄のグッズまで｡
そこで1人が気がついたかのように
C「あ､あの…もしかして？」
あ､やっぱりバレた｡
でも､勤めて冷静に
「そ､正解｡でも､ボクがはるさめってことは､ナイショだからな？」
と伝える｡
B「ほら､はるが最推しなんでしょ？この機会に話さないの？」
E「こ､心の準備がぁ……」
F「ね､推しのはるちゃんに会えてどう？」
E「待って､ボクガチでしにそう｡」
仲良いな｡
ってか､ボク推しの子､一人称同じだ｡
「あ､一人称…｡」
E「はい｡実はボク､はるさめさんが同性ってわかってから一人称が同じだったからはるさめ推しになったんですが……やっぱり実物も小柄でかっこよくて可愛いし…何より声が良すぎですって…｡」
ん？
今､聞き捨てならない言葉が出て来たけど……我慢我慢｡
D「そろそろ電車出発だって｡」
A「まじ？」
B「そろそろ行こ！」
ってな感じで女子高生との話は終わった｡
ファンがいるってことは嬉しいけど…気恥ずかしい｡
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作者名：千明 | 作成日時：2023年7月11日 21時
