天使のような君 (ページ10)

今日:15 hit、昨日:12 hit、合計:108,893 hit

１０ページ10

夢みたいな経験をしてから、1ヶ月以上が経った。

冷静に考えて、ありえない話なんだけど、、

あれは夢じゃない。

マークの声を聞くと胸がギュッと締め付けられる

仕事をしている時にも思い出してしまい、

ぼーっとしている時間が増えてしまった。

「おはようございます！」

私は、メイクアップアーティストを目指している。

今日も勤務先の美容院に出勤をして、予約の確認をした

今はまだまだ新米のアシスタントだけど、

いつかタレントさんのメイクをしてみたい

綺麗な人を、もっと綺麗にして、たくさんの人に見てもらえるって本当に素敵なことだと思う

そんなキラキラした世界に憧れてこの業界に入ったけど、自分が想像していたよりもずっと過酷な世界だった

覚えることも多いし、叱られることも多いし、休みなんてほとんどない

手が荒れてしまうけど、自分が好きな仕事だから続けられている

『おはよう〜』

この美容院のオーナーがスタッフルームに顔を出した

「おはようございます、お久しぶりです！」

オーナーが店舗に直接くることなんてあまりないのにどうしたんだろう、、、なにかトラブルでもあったのかな？

『ちょっと他の仕事に欠員でてさ、代わりの人探してって言われたんだよね』

「そうなんですね」

クレームじゃなくてよかった....

『それでなんだけど。Aにしてもらおうかと思って』

「何のお仕事ですか？」

『アーティストのヘアメイク』

「、、、え？」

『アーティストのヘアメイクしたいって言ってたよね？

うちの系列の店舗から、タレント担当しているスタイリストの一人が産休入っちゃってさ。

人が足りて無いって。』

「で、でも、、私がそんな大仕事を」

『十分、ここの店で経験積んだし、そろそろ行かせてあげたいと思ってた

断る理由ないよね？』

「はい、、！頑張ります！ありがとうございます！」

断る理由なんて、もちろんない。

どんな小さな仕事でも、たとえ雑用でも、こんなチャンス2度とないから、挑戦しなきゃ