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1話 伝令役 ページ2

ゼンside



なんなんだこの女!


令嬢も令嬢だが仮にも王子の部屋にズカズカ上がるこの無神経さ!


俺はそもそも令嬢と見合いする気はないし!



『……あのー』



ゼ「おい、伝令役!勝手に俺の部屋に上がるな!ついでに言うと俺は令嬢と見合いする気はない!」



『………あのー』



ゼ「待ってろ。今手紙を書くから!」



『話聞け王子!!!!』



伝令役の大声に顔をバッと上げた



伝令役は被っていた布をバサッと取る



途端に部屋中のものが目を見開いた





.






オ「……赤髪…………」



そう、彼女は白雪と同じ


艶やかな赤髪を持っていた


ただ、彼女の髪の方が長く、癖があった


仏頂面で俺を睨む


そこには自慢話が聞いてもらえない幼子のような不貞腐れた空気が漂い、フッと肩の力が抜けた


ゼ「話を聞かず悪かった。伝令役」


『分かればよろしいでゴゼーマス』


フンッと踏ん反り返る彼女にプッと笑った


途端に肩を震わせていたオビが笑い出し、ミツヒデも笑った


が、木々に呆れた顔で見られ、2人揃って黙り込んだ


『先ほどは申し訳ありませんゼン殿下。我が名はエース。ナギ伯爵令嬢 シトラス様の伝令役でございます』



ゼ「此方も失礼した。しかし見合いについてはあいにく受ける気はない」




俺には白雪以外に想える人はいない


ましてや見合い婚なぞ死んでも嫌だ


『そうですか……』


ゼ「悪かったな。遠路はるばる来ていただいたのに。オビ、送って差し上げろ」


オ「へーい『いえ、結構』……!?」


彼女は隣に立ったオビにいつの間にか取り出した槍の柄を振り上げた


それは異常な速さでオビの頬スレスレを通った


ミツヒデや木々は腰の剣に手を掛ける


オビも後ろに飛び懐に手を入れ、暗器を持つ


ミ「っなにを『蜂が』はい!?」


バッと手を差しだした


覗き込むと蜂がブーンと飛び出した


『其方の猫目の従者に止まりそうだったので、払い落としました』


飛ぶ虫を槍で殺さず、払った?


あのスピードでか?


ポカンと彼女を見る


背が高く、細身の赤髪の女


『アホ面になっとりますよ殿下。とりあえず此方の書類にサインをいただきたいのですが』


ゼ「書類?なんの……ゲッ!」




.





.









.






『王子。貴方は見合いは拒否出来ても結婚は拒否出来んのです』




其処には



” クラリネス第2王子とシトラス嬢の結婚を同意する ”



と記されていた



ゼ「はぁぁぁぁ!?」





.

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作者名:コロポックル | 作成日時:2019年5月3日 17時

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