透明なラベンダー。４

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土曜日。


映画館の前で待ち合わせて、映画を観た。


ストーリーは恋愛小説が原作となっている。


永遠の愛を誓い合っていたはずの2人だったが、その間にだんだんと距離ができていく。


明るい内容とはいえない。


でも、最後はハッピーエンドであってほしいと願いながら観ていた。


ついに迎えたラストシーン、2人は泣きながら別れてしまう。


その後、2人がどうなったのかは描かれていない。


主題歌が流れる。


切ない歌詞とメロディーが涙を誘う。


涙が頬を伝った。


そんなに胸を打たれたわけではないのに、なぜか泣いた。


となりの深澤さんは、黙ってエンドロールを眺めていた。


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映画館を出て、カフェでランチを食べながら映画の感想を言い合う。


『なんか、切ない話でしたね』


深澤「ラストシーンは特にな」


『私、泣いちゃいました』


深澤「やっぱ泣いてたのかあれ(笑)」


気づかれてた…；


深澤「主題歌も良かった。俺もあのバンド聴いてみるよ」


『ぜひ！何曲かおすすめの曲をピックアップしておきますね(笑)』


深澤「ありがとう(笑)」


『あの後2人はどうなったんでしょうか』


深澤「それこそ、皆さんのご想像にお任せしますってやつじゃない？」


『やっぱり私は、また2人が出会って、幸せになってほしいなって思います』


深澤さんは？と聞くと、


深澤「そうだね」


と答えただけで、多くは語らなかった。


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