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誰のことを言っているのか、すぐにわかった。
記憶がフラッシュバックする。
彼女も、タバコを吸っていたっけ。
タバコを吸う姿でさえ見惚れるほどに、魅力的な女性だった。
深澤「…忘れられないっつか、なんつーかなぁ…」
渡辺「お前が"そんなふう"になっちまったのは、その彼女が原因だろ」
深澤「そうじゃないといえば嘘になるな」
渡辺「でもあれから5年だぞ。もういい加減忘れろよ」
深澤「…俺も忘れられたと思ってたんだけどな」
渡辺「とにかく、Aのことをもっと真剣に考えろよ」
翔太がこんなことを言うなんて、珍しい。
今まで俺がどんな恋愛をしてこようが、口を出したりしなかったのに。
たぶん、翔太もAさんのことを…
深澤「真剣だよ。俺は彼女を好きになりかけてる」
うそつけ、もうすでに好きなくせに、と言うような目で俺を見る。
あの日、確信した。
彼女がバランスを崩して咄嗟に腕を引いたとき、俺は思わず彼女を抱きしめてしまった。
深澤「でも、だからこそ、彼女とは付き合えない」
渡辺「Aと彼女は違う。お前だってわかってんだろ」
…わかってる。
でも、どうしても、俺は…
居酒屋を出て、翔太と別れる。
道行く人々を横目に、両ポケットに手を突っ込む。
道の反対側の歩道に、Aさんに似た人が足早に駆けていった。
深澤「…まさかな」
俺はそう呟き、自宅に帰った。
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ゆめ - 完結おめでとうございます。お疲れ様でした。毎日更新されるのを楽しみにしていました!やっと付き合うこてができたので2人のその後が気になります! (2021年12月26日 13時) (レス) @page34 id: ce02170ebe (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥(プロフ) - 毎日の更新が楽しみでした!完結おめでとうございます!寂しいですがとても素敵な作品でした!!! (2021年12月26日 13時) (レス) @page34 id: ac9ad54f15 (このIDを非表示/違反報告)
おこり(プロフ) - 完結お疲れ様でした!素敵なお話を読ませて頂きました。ありがとうございました☺ (2021年12月26日 12時) (レス) @page34 id: b4f52a5ea8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ayane | 作成日時:2021年11月25日 7時