晴れ時々雨 ページ10
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人通りの少ない住宅街を歩く。
2年前とあまり変わらない風景だ。
小さなカフェのドアを開ける。
店主「いらっしゃいませ」
カウンターに立っている店主に会釈をし、奥に進む。
阿部「Aさん(笑)」
テーブル席にいた阿部さんが手を振る。
『お久しぶりです(笑)』
阿部「お久しぶりです。またお会いできてうれしいです(笑)」
正式に異動が決まったとき、彼に連絡をしていた。
すると彼が"久しぶりに会いたいです"と言ってくれたので、こうして会うことになった。
『阿部さんのご活躍、テレビで拝見していますよ(笑)』
阿部「活躍なんてそんな、僕はまだまだです。でもありがたいことにいろんなお仕事をさせていだたいています(笑)」
『いつも阿部さんを見て、元気をもらっています(笑)』
阿部「直接言われると、なんだか照れちゃいますね(笑)」
彼は恥ずかしそうにしながらコーヒーを飲む。
阿部「僕も、Aさんのことをよく思い出していました」
『え?』
阿部「元気にされているかなとか、雨に振られていないかな、とか(笑)」
『そうだったんですね』
少しでも気にかけていてくれたことが、すごく嬉しい。
阿部「連絡しようにも、そんな内容のない連絡したら、迷惑になっちゃわないかなって思ったりしてなかなかできなかったんです」
『迷惑だなんて思いません!むしろ嬉しいです!』
思わず声を張ってしまい、私は手で口を覆う。
『あ、えっと…;』
彼はクスッと笑い、言う。
阿部「ありがとうございます(笑)」
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作者名:ayane | 作成日時:2021年10月27日 7時