透明なラベンダー。３ (ページ30)

今日:1 hit、昨日:16 hit、合計:120,823 hit

＊ページ30

＊

ラウールくんは、不思議な子だ。

達観しているところもあれば、まだまだ若い部分もある。

昨日は泣いていたけど、大丈夫だろうか。

新入社員はいろいろと抱えてしまうことが多い。

私がフォローできるところはしていこう。

ラウ「おはようございます(笑)」

彼はいつも通りの笑顔で挨拶をした。

『おはよう。もう大丈夫？』

ラウ「はい。ご心配をおかけしました。Aさんの特製カレーを食べたら元気出ました！(笑)」

目黒＆渡辺「…Aの特製カレー？」

目黒くんと渡辺さんが同時に反応する。

ラウ「昨日の夜、Aさんのお家におじゃましたときにいただきました(笑)」

目黒「…は？？」

渡辺「お前、そのためにわざと残業したんじゃねーだろうな」

ラウ「まさかぁ、違いますよ。ね、Aさん」

『う、うん』

その日、ラウールくんはニコニコしていて、2人はずっと機嫌が悪かった。

・

・

・

・

同期「カンパーイ！」

『いぇーい！(笑)』

久々の同期会が開かれた。

同期「こっちに来てどう？もう慣れた？」

『うん。だいぶ慣れたかなぁ』

同期「まさか本当にこっちに異動になるとはな」

『私もびっくりだよ(笑)』

そんな話をしていたら、目黒くんがスマホを持って席を立った。

目黒「悪い、ちょっと抜ける」

彼女かな？

同期「目黒も大変だよなー許嫁(いいなずけ)がいるなんて」

『許嫁…？』

＊