透明なラベンダー。３ (ページ29)

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食後、彼女は甘いココアを作ってくれた。

さっきまで泣いていた僕も落ち着いた。

ラウ「すみません、ココアまで」

『んーん、ぜんぜん(笑)』

僕は今しかないと思い、気になっていたことを聞いてみた。

ラウ「あの、聞いてもいいですか？」

『なに？』

ラウ「…ふっかさんと何があったんですか？」

彼女は洗い物の手を一瞬止め、口を開く。

『簡潔に話すとね、2年前、私は深澤さんにフラれたの』

ラウ「…」

『好きで好きで好きでね。でも、気持ちは一方通行のままで。いっぱい泣いたなぁ』

…女神のような彼女でも、恋愛で泣くことがあるんだ。

ラウ「今でも、ふっかさんのこと好き？」

『…好きじゃないよ。先輩としては尊敬してる(笑)』

なぜだろう。

そう言った彼女の笑顔は、普段と違って見えた。

『ラウールくんは？彼女はいるの？』

ラウ「いません。気になる人ならいます」

『そっかぁ、いいね(笑)』

それはあなただと言ったら、なんて言うかな。

…そんなの、言えない。

彼女は僕をまったく意識していないのがわかるから。

だいたい、簡単に部屋に入れちゃダメだよ。

僕だって男なのに。

ラウ「そろそろ、帰ります」

『こんな時間だもんね』

靴を履き、立ち上がったときに名前を呼ばれる。

『明日も頑張ろうね(笑)』

僕は思わず、彼女を抱きしめた。

彼女は驚いたが、僕の頭に手を伸ばす。

『よしよし(笑)』

…ああ、わかるなぁ。

めめやしょっぴー、ふっかさんまでもが、彼女を気にかける理由が。

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