女神 ページ27
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ラウ同期「ラウールんとこのAさん、かわいいよな」
社食で昼食をとっていると、他部署の同期たちが言った。
ラウ「うん」
ラウ同期「今度紹介してくれよ(笑)」
ラウ「機会があればね」
ラウ同期「まじか!」
ラウ同期「じゃあ俺も!」
"Aさんはみんなに見向きもしないと思うよ"。
そう言いたいのをこらえ、俺は当たり障りなく返事をした。
Aさんは女神のような人だ。
美人で明るくて、誰にでも優しくて、笑顔が素敵で。
後輩たちの憧れの的になっているのを、本人はまったく気づいていない。
僕はいつもとなりで彼女を見ていられるから、羨ましがられたりする。
でも、Aさんのそばにいすぎるのもあんまり良くない。
他の人と仲良く話しているのを見てしまうから。
見なきゃよかったと、思うときもある。
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ある日、僕は仕事でミスをした。
こんなミスは初めてだった。
"仕事に慣れてきた頃が一番危ない"と誰かが教えてくれた覚えがある。
上司には怒鳴られなかったが、静かに、柔らかい口調で諭された。
正直、怒鳴られるよりも効いた。
目黒「あんまり気にすんな」
めめが肩を叩いて言う。
それでもミスはミスだ。気にしてしまう。
上司には"明日でもいい"と言われたが、僕はどうしてもミスの修正を終わらせてから帰りたかった。
ラウ「はぁ〜…」
やっと終わり、誰もいないオフィスでデスクに突っ伏す。
そのとき、誰かの足音がした。
『──────────ラウールくん?』
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作者名:ayane | 作成日時:2021年10月27日 7時