透明なラベンダー。３ (ページ20)

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上司「目黒が？」

目黒「俺もそこに行ったことありますし、深澤さんは今日は一日中外出の予定です」

上司「じゃあ、2人に頼むよ」

目黒「はい」

『わかりました』

デスクに着くと、A越しにラウールと目が合った。

目黒「なんだよ」

ラウ「別に」

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Aと会社を出て、先方に資料を持って行った。

『今日良く晴れてるね(笑)』

空は秋晴れだ。

目黒「そうだな」

『あ、金木犀だ』

彼女はオレンジ色の花が咲いている木を指差す。

目黒「キンモクセイ？」

『そ、金木犀。すごく良い香りがして好きなの(笑)』

彼女は少し背伸びをして、深呼吸をする。

俺も目を閉じて呼吸に集中してみる。

花の甘い香りがした。

目黒「ほんとだ」

『でしょ？この花の香りをかぐと、秋が来たな〜って思うんだ(笑)』

彼女は暖かい太陽の光の下でニコニコと微笑みながら俺を見る。

目黒「…」

『どうしたの？』

目黒「出張、どうだった？」

『うん、行くまではうだうだ悩んでたんだけど、いざ当日になってみたら平気だった(笑)』

目黒「そっか」

『あ、もしかして心配してくれてた？』

目黒「してない」

『そうだよね(笑)』

彼女は笑って歩を進める。

目黒「夜景の写真、見た」

『あー、ラウールくんに送ったやつ？』

目黒「そう」

『あの写真いいでしょ？よく撮れてるよね(笑)』

目黒「…深澤さんと行ったの？」

『え？』

彼女は立ち止まり、俺を見た。

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