透明なラベンダー。３ (ページ16)

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神戸港の近くでご飯を食べた。

お店を出ると、彼は言う。

深澤「まだ時間あるし、港に行ってみようぜ(笑)」

『私たち観光に来たんじゃないんですよ』

深澤「せっかくだからさ(笑)」

『ホテルのチェックインの時間もありますし』

深澤「わーかってるよ(笑)」

彼は軽い返事をし、これまた軽い足取りで進む。

『も〜』

と言いつつも彼についていく。

なんだかんだ、私も港の夜景が気になっていた。

港に来ると、夜景を見に来た人々で賑わっていた。

深澤「すげー綺麗だな〜(笑)」

カップルが多く、私は少しだけ後悔したが、彼は構わず楽しんでいる。

深澤「あ、ほらほら船が出る！手ぇ振ってる人がいるぞ！(笑)」

クルーズ客船の甲板からこちらに手を振る人がいて、彼もそれを見て手を振る。

まるで子どもみたいにはしゃいでいる。

でも、暗闇に浮かぶ綺麗な夜景を見ると、私も気分が高まった。

スマホを取り出し、夜景を撮る。

さっきラウールくんから連絡来てたし、この写真送ろうかな。

なんて考えていたら、カシャッとカメラのシャッター音が聞こえた。

『え、』

横を見ると、彼はスマホをこちらに向けていた。

『何してるんですか』

深澤「絵になるなって思って」

『またそうやってテキトーなこと言ってからかわないでください』

深澤「いや、テキトーじゃない」

『もうその手は食いませんよ』

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