透明なラベンダー。２ (ページ5)

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休日。

借りていた傘を返すため、阿部さんと会うことになった。

待ち合わせ場所に行くと、阿部さんがすでに到着していた。

彼は私を見つけると、ニコニコと手を振る。

おぉ…爽やか…

『傘、ありがとうございました。お返しします』

阿部「ありがとうございます。本当はもうあげてしまってもよかったんですけどね(笑)」

『ダメです！もし私があなたの私物だと言ってこの傘を売りに出してしまうかもしれませんよ？』

阿部「あははっ、それはないだろうなぁ(笑)」

『え？』

阿部「だって、Aさんがそんなことするような人には見えないから(笑)」

『…そ、そうですか？』

阿部「うん(笑)」

『それに、傘は大切にしてください。傘がなくちゃ、雨に濡れてしまうんですよ』

当たり前のことを大真面目に言う私に、彼は茶化すことなく頷く。

阿部「確かに、その通りですね。一層大事にします(笑)」

『はい(笑)』

私は一歩下がり、言う。

『じゃあ、失礼します』

阿部「待ってください。今日は何か予定でもあるんですか？」

『え…？いえ、特になにも…』

阿部「なら、お茶でもどうですか？(笑)」

『でも、阿部さんはテレビに出ている人ですし、私といたら迷惑じゃ…』

阿部「そんなことないですよ。それに、人目を気にせずゆっくりできるとっておきの場所があるんです(笑)」

『とっておきの場所…？』

彼は私の手を取ると、駆け出した。

『えっ！？////』

彼はシーッと人差し指を立て、ニコッと微笑んだ。

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