透明なラベンダー。２ (ページ33)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:124,112 hit

＊ページ33

＊

午後15時。

仕事が片付き、コーヒーを飲みながらほっと一息ついていた。

卓上カレンダーを見る。

もう10月か。

同期のみんなは元気かな。

会ってはいないが、定期的に連絡を取っている。

目黒くんも、たまに連絡をくれる。

誰が異動になって、どんな人が来たのか教えてくれたり、世間話もする。

新入社員の指導係に任命されて大変だとも言っていた。

ちなみに、深澤さんも渡辺さんも、まだ同じ部署にいるらしい。

上司「Aさん」

『はい』

突然上司に呼ばれ、立ち上がる。

上司「ちょっといいかな？」

『なんですか？』

上司「ここでは話せないから、ちょっと向こうで」

『はい…』

これはまさか…

会議室に移動する。

上司「まあ座って」

『失礼します』

上司と向かい合って座る。

上司「Aさんはとてもよく働いてくれているよね」

『いえそんな、』

恐縮です、と頭を下げる。

上司「それで、ぜひAさんにもう一度来てもらいたいという話があってね」

…？

『…どういう意味ですか？』

上司「─────────────本社に異動が決まった」

『え…！？』

上司「2年前は3ヶ月だけの期間だったけど、今回は正式に異動になる」

『ちょっと待ってください、そんないきなり…！』

上司「ちなみに来週からだから、頑張ってね！」

『え〜！？』

＊