透明なラベンダー。２ (ページ29)

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お店の外に出て、移動する。

途中、飲み会終わりの大学生の集団とすれ違う。

イェーイ、なんて言ってはしゃいでいる。

若者よ、たくさん青春しなさい。

静かな場所で立ち止まり、発信する。

深澤《はい》

彼はすぐに出た。

『…もしもし』

深澤《もしもし》

『すみません、急に電話しちゃって』

深澤《全然。それよりどうしたの？》

『あの…深澤さんにちゃんとご挨拶できていなかったので』

深澤《そっか、わざわざ連絡くれてありがとう》

『…深澤さんには、本当にお世話になりました。たくさん頼りにさせていただいて、仕事の楽しさも教えてもらいました』

深澤《俺はなんもしてないよ。こちらこそありがとう。Aさんが来てくれてすごく楽しかった》

『…それと、迷惑かけてごめんなさい』

深澤《迷惑だなんて思ってないし、謝らないでいいよ。謝るのは俺だから》

『…』

深澤《Aさんの気持ちに応えられなくてごめん》

私は首を振る。

『…いいんです、もう』

深澤《…俺は、Aさんが幸せになってほしいって思ってるから》

『はい、』

目頭が熱くなる。

涙で街灯がぼやける。

ダメ、泣いちゃダメだ。

深澤《支社に戻っても、頑張ってね》

『頑張ります…っ』

深澤《Aさんはさ、もっと自信を持って仕事してもいいんじゃないかな》

『自信…』

深澤《失敗を恐れずに挑戦してみて。失敗から学べることもたくさんあるから》

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