透明なラベンダー。２ (ページ23)

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『な、なんでもないです、』

渡辺「んなわけねーだろ。何かあったからそんな顔してんだろ」

『…』

渡辺「ふっかのことか？」

『…はい』

彼は私の腕を掴むと、歩き出す。

渡辺「行くぞ」

『どこにですか！？』

渡辺「昼食付き合え」

『え！？；』

渡辺「この前俺に貸し作ってんだろ」

『ああ…はい。ってよく覚えてましたね；』

渡辺「うるせえ」

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会社員たちがランチをしているなかで、私は渡辺さんにあの夜のことを話した。

渡辺「だから言っただろ」

『…はい』

渡辺「俺は最後までしなくて正解だったと思うがな」

『どうしてそう思うんですか…？』

渡辺「お前をかえって傷つけることになるってわかるから」

『…』

渡辺「お前は一夜限りでふっかのことを忘れられねーだろ。ふっか自身にとっては、これ以上面倒なことにはなりたくないからってのが理由なんだろ」

『…私も、そうだと思います』

気づけば、テーブルの上には食べきれないほどの料理が並んでいた。

『これは…？』

渡辺「まぁ食え」

『…いただきます』

渡辺「こういうときは食って忘れろ」

…美味しい。

渡辺「これも買ってきてやったぞ」

カフェラテをテーブルに置く。

甘くて、ホッとする。

『…っ』

同時に涙が流れる。

渡辺「俺が泣かせたみたいになるだろ；」

『すみません…っ』

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