透明なラベンダー。 (ページ33)

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どうして私、モヤモヤしているんだろう。

『…』

目黒「A？」

『あ、何？』

私はハッと我に返る。

目黒「何飲む？ビールでいいの？」

『うん、ありがとう』

私は同じ課の社員たちと飲み会に来ていた。

目黒「さっきからボーッとして変だぞ」

『ごめん…』

私はキョロキョロと見回す。

いた、深澤さん。

あんなに遠いと、話せないな。

彼の両隣に若い女性社員が座っている。

あんなにくっついて、楽しそうにして。

ほろ酔いになった女の子の頬に触れては、心配そうに水を渡す。

そしてまた、くっつく。

女の子なら誰でもいいんだ。

…私は勘違いをしていた。

深澤さんが優しいのは、私に限ったことじゃなくて。

私にあんな笑顔を見せるのも、彼にとっては普通で。

私は"特別"なんかじゃない。

目黒「どうした？」

俯く私に、目黒くんが言う。

目黒「大丈夫？飲みすぎた？」

『あ…えっと…うん』

目黒「すみません、帰ります」

彼はみんなにそう言うと、私の腕を引く。

目黒「送るよ」

居酒屋を出て、彼の数歩後ろを歩く。

『ごめんね、』

目黒「いや、俺も今日は2軒目行かずに帰ろうと思ってたから」

『…』

目黒「吐きそうとかはない？」

『うん…』

目黒「もし途中で気分が悪くなったら言って」

…違う。

『違うの、』

目黒「え？」

私が立ち止まり、彼が振り向く。

『酔ったんじゃなくて、あの場所に居たくなかった』

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