透明なラベンダー。 (ページ32)

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ある日。

社内で1人の女性社員が倒れた。

『大丈夫ですか！？』

近くにいた私は駆け寄り、彼女に声をかける。

女性社員「平気、ちょっと目眩がしただけだから…(笑)」

『でも、顔色があんまり良くないですよ…』

体調が悪そうだ。

女性社員「本当に大丈夫だから…」

彼女はそう言っているが、座り込んだまま立ち上がれそうにない。

『私、お水買っ────────────』

深澤「どうした？」

深澤さんが来る。

『深澤さん、実は…』

深澤「ちょっとこっち向いてみ」

彼は女性社員の顔色を見て、彼女の腕を肩に回す。

深澤「歩ける？座れるところに行こうか」

女性社員「すみません…」

深澤「Aさん」

『は、はい』

深澤「ちょっと休ませてくるから、課長に報告しておいて」

『わかりました』

深澤「よろしく」

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しばらくして、深澤さんが戻ってきた。

『あの、深澤さん、』

深澤「しばらく休んだら気分も良くなったみたい。大事をとって早退したよ」

『そうですか、気分が良くなったなら安心しました』

深澤「あの子、貧血気味だからたまに体調崩すんだよ。今日も大分無理してたんだろうな」

『…よく知ってるんですね』

深澤「ん？ああ、あの子が新入社員の頃から知ってるからな(笑)」

一瞬、モヤッとしたものが胸の中に現れる。

なんだろう、この気持ち。

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