透明なラベンダー。 (ページ27)

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雨上がりページ27

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『うーん、これがこうで…』

私は早速企画に取り掛かる。

目黒「企画？」

『うん、初めて任せてもらったの。だから一生懸命頑張ろうって(笑)』

目黒「だからそんなにやる気なのか」

『やるからには全力を注ぎたいから！(笑)』

目黒「あんまり頑張りすぎんなよ」

『ありがとう(笑)』

パソコンに向かい続けていると、いきなり誰かが私のデスクに手をついた。

渡辺「おい」

『あっ、渡辺さん、お疲れ様です』

渡辺「お疲れ様ですじゃねーよ。そればかりやってねーで他の業務もやれ」

『すみません、つい夢中になって；』

渡辺「こっち来い」

『はい！』

私は慌てて書類だらけのデスクの上を片付け、渡辺さんについていく。

渡辺「今からこの書類を近くの現場に届ける」

『私は何をすればいいですか？』

渡辺「お前もついてこい。それだけでいい」

『へ？』

エレベーターに乗る。

渡辺「外歩けば少しは息抜きにはなるだろ」

『…』

私は彼を見上げる。

渡辺「あ？」

『…渡辺さん、頭でも打ちました？』

渡辺「お前、殴っていい？」

『すみません、渡辺さんが私に気を遣ってくださったことに驚いて』

エレベーターが開き、外に出る。

渡辺「あのな、俺のことを鬼か何かだと思ってんのか」

『はい』

渡辺「お前今すぐ会社戻れ」

『すみませんすみません；』

渡辺「ったく…」

外は梅雨の晴れ間で、青空が見えていた。

＊