＊ ページ2
＊
Aさんと佐久間くんが付き合うことになった。
2人は夕食中に、かしこまった態度で僕たちに報告した。
僕たちは祝福した。
おめでとう、次々に声をかけると、2人は照れつつ、ありがとう、と言った。
康二くんはなぜか泣きながら喜んでいた。
本当におめでたいことだ。
うん、本当に…
ラウ「…」
シャーペンを持つ手が止まる。
あのとき、僕だけ何も言えなかった。
なんて声をかければいいのかわからなくて。
"おめでとう"、そう言えばいいだけなのにな。
ラウ「…もぉ〜っ」
頭を掻き、勉強道具を放り出し立ち上がる。
喉が乾いた。
部屋を出る。
『あ、ラウールくんだ(笑)』
風呂上がりで、頭にタオルを被っているAが言う。
どうしてこのタイミングで…
『どうしたの？』
ラウ「…喉が乾いて」
『ラムネあるよ、飲む？(笑)』
ラウ「うん」
ちょっと待ってて、と言った彼女はラムネを2本持ってきた。
縁側に腰を下ろして、ラムネを飲む。
『はーっ、これぞ夏って感じだね(笑)』
タオルを首にかけ、ラムネを飲んでいる彼女の横顔を見つめる。
夜風が吹く度に、彼女のシャンプーの香りが届く。
『勉強は順調？』
ラウ「もちろん」
今日は全然手につかなかったけれど。
『えらいぞ！(笑)』
よしよしと僕の頭を撫でる。
やめてよ、と言うとごめんね、と彼女は言った。
＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 888人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひなま(プロフ) - 初めてコメントさせて頂きます。もぅ早朝からずっと一気に読んでしまいました！頭の中で想像しやすい作品で楽しめました！また機会があればその後の阿部ちゃんが帰ってきて、佐久間くんとの子供が出来たりの話も見てみたくなりました！書いていただけたら嬉しいです！ (2021年10月9日 7時) (
レス) @page24 id: 40a9c90c6e (このIDを非表示/違反報告)
ayane(プロフ) - acoさん» ありがとうございます。褒めていただきとても嬉しいです！次回作もよろしくお願いします！ (2021年8月20日 9時) (レス) id: 3593844f61 (このIDを非表示/違反報告)
aco(プロフ) - 完結おめでとうございます。ayaneさんの紡ぐ綺麗な言葉たちが大好きです。ふんわりとした暖かい笑顔がみんなに咲いたことすごく幸せでした！これからも楽しみにしています！ (2021年8月19日 18時) (レス) id: 6722398e2a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ayane
| 作成日時：2021年7月18日 14時
