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阿部「まぁ、もう君が知ることはないか。なぜなら俺の手で──────────」
『…して』
阿部「ん？」
『父を返して…っ』
涙が溢れる。
佐久間「A…っ」
『あなたのせいで…母は今でも、父を…っ』
阿部「恨め、俺をもっと恨むんだ」
向井「ご主人様…！」
阿部くんは私にゆっくりと近づく。
阿部「殺したいくらい憎いんでしょ？早く殺してみなよ」
彼は刀を持つ私の手首を握る。
阿部「さぁ、このまま刺せばいいんだよ」
『…い、や…っ』
私は震えながら首を振る。
阿部「殺せよ！！」
そのとき、私と阿部くんの間にさっくんが立った。
『さっ…くん…っ？』
彼はゼェゼェと息を切らしながらも、しっかりと立つ。
阿部「へぇ、あれだけダメージを喰らっておいて立ってられるんだ」
佐久間「黙って聞いてりゃ…お前はただのかまってちゃんじゃねぇか」
阿部「俺が？」
佐久間「誰かにかまってほしくて、それでこんな事件起こすなんて、どんだけだよお前」
阿部「…違う」
佐久間「何が違うか言ってみろよ」
阿部「俺は、世界を壊したい」
佐久間「だからそれがかまってちゃんだって言ってんだよ！世界を壊したい？中二病かよ！」
阿部「黙れ」
佐久間「お前が黙れ！そしてもうこんなことはやめろ！」
阿部「…お前に指図されたくないよ」
彼から黒いモノが現れる。
佐久間「…っ」
またあの恐ろしい能力が…！
『さっくん危ない！』
私は彼を庇い、地面に倒れた。
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作者名：ayane
| 作成日時：2021年5月24日 18時
