桜が舞う頃、君は。３ (ページ31)

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闇の儀式ページ31

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阿部「Aちゃんの魂を使おうと思ったけど、翔太も十分強い妖祓いだからね」

『まさか…！』

佐久間「やめろ！！」

さっくんが刀で蔓を切る。

しかし、蔓はメキメキと再生し、渡辺さんに絡みつく。

佐久間「だったらもっと早く切っちまえばいいんだ！」

阿部「…はぁ、無駄なことするよね」

佐久間「無駄なんかじゃねぇ！お前がやってることの方がよっぽど無駄だ！」

阿部「うるさいよ」

そのとき、阿部くんの周りに黒いオーラが出現した。

『さっくん！離れて！』

佐久間「なん───────────」

その"黒いモノ"は一瞬にして彼を吹き飛ばした。

向井「さっくん！」

佐久間「ぐっ…あぁっ…」

彼はうずくまる。

阿部「佐久間は以前にもこの攻撃を喰らったことがあるよね？」

『…それってもしかして屋敷の庭でのこと？』

阿部「ご名答」

佐久間「ぐわぁぁぁぁっ！」

向井「なんや！？さっくんがいきなり苦しみだしたで！？」

『さっくん！？』

阿部「"痛みの記憶"を呼び覚ましたんだ。俺の攻撃を一度でも受けた者は、二度目の攻撃を喰らったときに痛みが蘇る」

『その禍々しいオーラといい、そんな能力は持ってなかったはずじゃ…！』

阿部「俺には2つ属性があるんだ。隠してただけだよ」

『2つ…！？』

阿部「1つは"花"。そしてもうひとつは──────────」

2つの属性を持つ異能者なんて聞いたことがない…！

阿部「───────────"闇"だ」

＊