桜が舞う頃、君は。３ (ページ24)

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光の矢は私に目がけて飛んでくる。

『くっ…！』

私は刀でそれを弾いていく。

途中、避けきれなかった矢が腕を掠める。

それでも次に飛んでくる矢を見切り刀を振る。

『ﾊｧ…ﾊｧ…』

ラウ「へぇ…あれだけの攻撃をよく刀一本で防げたね。あのおじさんはこの段階で体力が尽きてたけど」

『ラウールくん、お願い、もうやめて』

ラウ「やめない。それに、もう戻れないって言ったはずだよ」

『高校生のあなたに、これ以上人を傷つけさせたくない…！』

ラウ「いい加減にしろよ！」

彼は叫ぶ。

ラウ「僕のことなんてほっとけばいいだろ！そういう同情とか、助けとか、僕は一切求めてない！」

『…あなたはどこか苦しんでる』

ラウ「うるさい！僕の何がわかるっていうんだ！」

彼は弓矢を構える。

『わからないよ！だからこそ、あなたを救いたい！！』

ラウ「うわぁぁぁぁ！」

彼が放った矢は、私の腹部に刺さる。

『ｳｯ…！』

ラウ「どう、して…避けなかった…の…？」

『ﾊｧ…それでも私は…ﾊｧ…あなたに向き合い続けるから…』

ラウ「…あ、あぁ…っ」

彼は頭を抱え、地面に膝をつく。

私は彼を抱きしめる。

『大丈夫、大丈夫だから…もう、いいんだよ…っ』

ラウ「…うっ…うっ」

彼は涙を流した。

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