桜が舞う頃、君は。３ (ページ17)

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ご主人様たちと分かれ、しょっぴーと2人で山の中を走る。

そして開けた場所に出たとき、しょっぴーが言う。

渡辺「…誰だ？」

確かに、さっきからもう1人の気配を感じていた。

この気配、どこかで…

ハッとして、振り向く。

向井「めめ…？」

物陰から出てくる。

目黒「…康二、久しぶりだな」

向井「めめがなんでここにおんねん…」

渡辺「おい康二、お前まさかあの男と知り合いなのか？」

向井「行きつけのパン屋の…店員や…」

渡辺「なんだと…！？」

目黒「パン屋の店員は仮の姿。本当の俺は、この腐った世界を壊すために妖祓いの粛清を行う、異能者だ」

向井「…！」

渡辺「粛清だと？阿部がそう言ってんのか」

目黒「そうだ。彼は偉大な存在。彼こそがこの世界を統べるのにふさわしい」

渡辺「狂ってやがるな」

向井「…う、嘘や、めめがそんなこと言うはずない」

目黒「…」

向井「俺の知ってるめめは、優しい男やった。何かの冗談やて言うてくれよ…」

目黒「今の俺が本当の俺だよ」

向井「嘘や嘘や嘘や！！」

渡辺「…康二！」

向井「じゃあ…パン屋で出会ったのも、友達になったのも、全部…」

目黒「ああ、全て仕組んでたことだ。"白雪"の人間に近づくためのな。まあ、時期が早まったせいでその必要もなかったがな」

向井「そん、な…」

渡辺「…クズだな、お前」

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