桜が舞う頃、君は。３ (ページ2)

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───────────あの日、Aが鷹揚会に向かったあと俺は屋敷内に阿部ちゃんがいないことに気づいた。

あちこち探し回ったが、阿部ちゃんの姿はない。

佐久間「どこ行っちまったんだよ…」

庭に出て辺りを見回していると、阿部ちゃんが来た。

阿部「佐久間、」

佐久間「こんなときにどこ行ってたんだよ！」

阿部「ごめん、屋敷の外を見回ってて、」

今から結界張るから、と屋敷内に入ろうとした彼に言う。

佐久間「…本当に？」

阿部「どういうこと？」

佐久間「本当に見回ってたのかよ？じゃあどこにいたか言えるよな？」

阿部「何か疑ってる？」

佐久間「阿部ちゃん、前から変だぞ」

阿部「変？どこが？(笑)」

佐久間「お祭りのとき、なんか…その、阿部ちゃんから変な感じがして」

阿部「え…？佐久間何か勘違いしてない？」

佐久間「じゃあなんでお祭りの日、呪符を持ってたんだよ…！」

彼に貸していた漫画を取りに来たとき、彼の部屋に口寄せの術で使う呪符を見つけた。

しかも、妖を口寄せるための…

阿部「それだけが理由？」

佐久間「…それだけじゃない。魍魎を呼び寄せたのもお前だな」

阿部「なんのこと？俺、佐久間が言ってること全然わかんないよ」

佐久間「もう嘘つくなよ！」

俺は叫ぶ。

佐久間「この屋敷に結界を常に張って守ってるのは阿部ちゃんだ。でも…わざと結界を緩めて魍魎に見つかりやすくしたのも阿部ちゃんだろ…？」

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