桜が舞う頃、君は。 (ページ35)

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『あの日って…？』

宮舘「─────────彼女は、任務中に亡くなった」

『…！』

亡くなった…！？

宮舘「妖との戦闘に負け、命を落としたと翔太から聞きました」

『そんな…』

宮舘「それ以来、翔太は妖を強く恨むようになりました。そして仕事に明け暮れるように…」

『…私は何も…知りませんでした』

宮舘「彼はあまり自分のことを話そうとしませんから」

『…』

宮舘「俺とも距離をとるようになって、次第に疎遠になりました。でもまさか、こんな形で再会するとは思いませんでした」

彼にそんな過去が…

岩本「舘さん、」

岩本さんが来る。

彼も目を覚ましたようだ。

『気分はどうですか？大丈夫ですか？』

岩本「…いや、俺は大丈夫ですけど…」

彼は気まずそうに目を泳がせる。

向井「みなさーん！朝食できましたよ～！」

向井さんが言う。

『今行きます。おふたりも食べていってください』

宮舘「いえ、これから警視庁に戻ります」

『今からですか？もう少し休まれては…』

宮舘「報告に行かなくてはなりませんので。事件解決のご協力、ありがとうございました」

岩本「ありがとうございました」

『こちらこそ、感謝します』

岩本「あの、」

『はい』

岩本「これ、俺の連絡先です」

彼はそう言って私にメモを渡す。

『え、』

岩本「それでは、失礼します」

2人は頭を下げると、足早に去っていった。

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