桜が舞う頃、君は。 (ページ31)

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女郎蜘蛛は私を見る。

女郎蜘蛛【血ﾀﾞ…美味ｿｳﾅﾆｵｲﾀﾞ…！】

『…！』

私に向かって勢いよく糸を吐く。

岩本「おい！」

岩本さんが私を押した。

『え…！？』

岩本「うわぁぁぁぁ！」

糸は岩本さんをぐるぐると巻き付く。

『岩本さん！』

女郎蜘蛛【ﾅﾝﾀﾞ、別ﾉｶ。ﾏｱｲｲ】

佐久間「てめえ離しやがれ！！」

さっくんが私たちの前に立つ。

佐久間「康二、2人を守れ」

向井「わかった！」

『無理だ！女郎蜘蛛相手に1人でなんて！』

彼は振り向き、言う。

佐久間「俺、前より強くなってっから。見とけよ」

『さっくんっ！』

向井「ご主人様危険や！」

向井さんに止められる。

佐久間「行くぜ、」

彼はタンッと跳ぶ。

女郎蜘蛛は彼に向かって何度も糸を吐くが、彼はひらりと避ける。

まるで舞っているかのように、自由自在に動き回ってる…！

女郎蜘蛛【小癪ﾅ！】

佐久間「女郎蜘蛛、お前は人を喰いすぎた」

彼が両手に持つ短剣に火がつく。

佐久間「情けはかけねーぞ」

女郎蜘蛛【煩ｲ！煩ｲ煩ｲ！！】

佐久間「───────────燃やし尽くせ、"百八炬火(ひゃくはったい)"！！」

1本の糸から燃え移った火は、瞬く間に女郎蜘蛛を包んだ。

これが…今のさっくんなの…？

女郎蜘蛛【ｱﾂﾞｲ！ｱﾂﾞｲｲｲｲ！！】

佐久間「じゃあな」

女郎蜘蛛は灰となり、燃え尽きた。

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