桜が舞う頃、君は。 (ページ3)

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振り向くと、薄笑いを浮かべる色白の男が立っていた。

『…深澤さん、どうしてあなたがここに？』

深澤「久々に会ったってのに、そんな目で睨むなよぉ(笑)」

深澤辰哉。その見た目とは裏腹にかなりの実力を持ち、史上最年少で鷹揚会の幹部となった。

冷静沈着で何を考えているのかわからない、謎の男だ。

深澤「お二人さん、その封筒の中身は見た？」

私たちは封筒の中を確認する。

『今すぐ戻って来いとしか書かれてませんが』

阿部「同じく」

深澤「そ。とにかく俺らの本拠地まで戻ろう。俺は君たちを迎えにきた」

『…わかりました』

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私たちの本拠地は都内某所にある。

都内に着いたとき、深澤さんが言う。

深澤「まずはAは実家に帰れ。葬儀とかいろいろとあるだろ」

『はい。まぁ、ほとんどのことは使用人が済ませてくれているでしょうが』

阿部「それにしたって、家族なんだから最後のお別れとか…」

『別に、何も伝える言葉なんてありませんよ』

阿部「…」

深澤「葬儀にはAが1人で出るのか」

『ええ。母は無理でしょうから』

深澤「そうか。葬儀が終わったら、迎えに行く」

『はい』

深澤「阿部は今から俺と鷹揚会に向かおう」

阿部「うん」

『では、私はこれで』

二人に頭を下げ、実家へと向かった。

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