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阿部「翔太！」
『渡辺さん！』
向井「渡辺って…」
渡辺「うるさくて起きちまっただろーが」
阿部「大丈夫？」
渡辺「…平気だ」
彼はチラ、と康二を見る。
渡辺「…誰だお前」
向井「俺は…その、」
『この部隊に入ることになった、向井康二さんです』
渡辺「…」
彼は康二をじっと見る。
渡辺「お前、人間じゃねーだろ」
向井「…！」
『彼は狐の半妖です』
渡辺「は？今なんつった？」
阿部「翔太、」
渡辺「まさか俺らを襲った妖狐がこいつだっていうのかよ？」
『…はい』
渡辺「ふざけんな！どうしてこいつがここに…！ｳｯ…」
阿部「傷口が開いちゃうから落ち着いて、」
向井「…俺、俺…っ」
康二が駆け出す。
『…っ』
彼女は彼を追いかけていった。
渡辺「あの女、何考えてやがる…！部隊を潰してーのか…！？」
阿部「それは違うよ」
渡辺「どう違うんだよ！」
阿部「あの日、康二は人を襲うつもりなんてなかったことを信じて、牢屋に入れられそうになっていた彼を救うためにこの部隊に入れたんだ」
渡辺「そんなの、あの男がもし嘘をついていたとしたら…！」
阿部「そんな男が、あんなに嬉しそうに隊服を着るかな？」
渡辺「…」
阿部「Aちゃんは、一生懸命部隊のために頑張ってる。だから俺も、Aちゃんと康二を信じる」
渡辺「だからって…」
阿部「それに────────────」
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作者名：ayane
| 作成日時：2021年3月20日 10時
