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夜遅く、気づくと照はベランダに出ていた。
『照?寒くないの?』
岩本「寒いけど、星がキレイだから」
私もとなりに立って夜空を見上げる。
『本当だ、星がキレイ(笑)』
無数の星がキラキラと煌めいている。
『…私の両親はね、私が5歳のときに星になったの』
岩本「…」
『交通事故。私はそのとき祖父母の家にいた』
岩本「…そうだったのか」
『両親のことはあんまり記憶に残ってないし、私をひきとって育ててくれた叔父夫婦も、一緒に育ったいとこもみんなやさしくしてくれた』
白い息を吐いて、消えていくのを見つめる。
『だから寂しい、辛いって思ったことはなかった』
"かわいそう"、なんてよく他人に言われてきたけれど、私は自分がそうだとは思わない。
『むしろこんなに大事にしてもらっていいのかなって』
岩本「あのとき俺が拾ったお守り、交通安全のだった」
『叔母にもらったの。いつも持ち歩くようにしてる』
岩本「…」
彼は黙って星を見つめる。
『ごめん、暗い話になっちゃったかな』
岩本「いや、話してくれてありがとな」
『こちらこそ、聞いてくれてありがとう』
すると彼は微笑んで、大きな手をのばして私の頭をポンポンと撫でた。
彼は、不思議な人だ。
どうしてそんなにやさしく笑うんだろう。
岩本「…寒いな、戻るか」
『うん』
戻ったあと、私たちはそれぞれの部屋で眠った。
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ayane(プロフ) - のびさん» ありがとうございます!のびさんのお気持ちが少しでも和らいだと聞いて、とても嬉しいです(笑)更新頑張ります!のびさんも体調に気をつけてくださいね! (2020年12月24日 8時) (レス) id: 39d061f7d7 (このIDを非表示/違反報告)
のび(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいています。ayaneさんの御心遣いに落ち込んでいた気持ちが少し和らぎました(*´˘`*)彼らを待っている間のキュン補給で毎日読ませていただきますね!体調に気をつけて更新頑張って下さい♪ (2020年12月23日 19時) (レス) id: f577811a42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ayane | 作成日時:2020年12月16日 9時