君と私とチョコレート。

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岩本さんと最初に出会ったのは半年前だ。


チョコレート好きの私は仕事帰りによくお気に入りのチョコレート店に寄っていた。


そこで頻繁に姿を見かけていたのが岩本さんだった。


彼はいつもチョコレートを選び、購入して店を出ていく。


かわいらしいお店に屈強な体の男性がいるのがなんともいえない不思議な光景で、強く印象に残った。


彼女さんに買っていってるとかかな、なんて想像したりした。


そしてある日。


岩本「あの、」


私は店を出てから彼に声をかけられた。


『はい』


岩本「これ、落としましたよ」


叔母からもらったお守りを落としていたようで、彼が拾ってくれた。


『あ、すみません。ありがとうございます』


岩本「それ、美味しいですよね」


私が買ったチョコレートを見ながら言う。


『はい。私ここのチョコレート好きなんです(笑)』


岩本「俺もです(笑)」


そのとき、なんてかわいい笑顔なんだ、と思った。


それからは店で会ったときは短い話をするようになって、時間の合うときはチョコレートのスイーツを食べに行ったりした。


見た目で怖い人かもしれないと誤解していたが、話してみると全くそうではないことがわかった。


むしろ中身は女子よりも女子なんじゃないか、と思わせるときもあり、某ファミリー動物人形を集めるのが趣味だと聞いたときは椅子から転げ落ちそうになった。


そうして、彼は悪い人ではないと確信していた。


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