となりの翔太くん。 (ページ23)

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『な、なんでいきなりそんなこと聞くの？；』

目黒「だって男がいたらまずいですから」

『私はいないけど…目黒くんはどうなの？』

目黒「いたらこんなところに先輩を連れてきてないですよ」

『…でも、目黒くんモテるから』

目黒「俺は滅多に自分から誘ったりしません。俺に近寄ってくる女性の中には、俺を好きでもないのに他人に自慢がしたいってだけで俺と付き合いたがる人もいます」

『モテたらモテたで大変なんだね』

目黒「俺は最初からずっと、先輩だけですよ」

その言葉にドキッとして、冷静になる。

『…私、モテる人は嫌なの』

グラスのお酒を飲み干す。

『いつもハラハラして、どこで何してるんだろうって不安になって、心も体も悪くする』

目黒「…過去に嫌な思い出でもあるんですか？」

『…昔ね』

目黒「その人のことまだ好きなんですか？」

私は新しいお酒に口をつけようとして、手を止める。

『ばっ…バカ言わないでよ。学生時代の話なんだからまだ好きなわけない』

目黒「でもずっと覚えてる」

『そりゃ、あれだけ傷付けられたら忘れたくても忘れられないよ』

目黒「でも俺、その人が羨ましいな」

『…どうして？』

目黒「だってどんな理由でも、先輩の記憶にずっと残ってるなんて羨ましい」

『…』

目黒「なんて、冗談です」

彼はそう言ってお酒を飲んだ。

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