メロンソーダとマーマレード【abkj】 (ページ33)

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あの人ページ33

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研究室に戻る途中でふっかが言う。

深澤「まさかもう1人いたとはな～」

阿部「まぁ、男友達くらい何人かいるんじゃない？」

深澤「Aちゃんはあの関西弁のやつの方が、目黒ってやつより仲良さそうだったよな」

阿部「そうかもね。明るくて、誰とでも仲良くなれそうなタイプだったし」

深澤「やけに平気そうじゃん」

阿部「まさかショック受けてるとでも思った？」

深澤「俺にはそう見えたけど」

阿部「俺、別にAちゃんのことそんな目で見てないよ」

深澤「でもやけに可愛がるじゃん」

阿部「可愛い後輩だとは思ってるよ(笑)」

深澤「夏休みは会えなくていいの？」

阿部「そんな予定もないよ」

深澤「じゃあ俺が企画してやんよ」

阿部「企画？俺らは夏休みも研究室にこもるのにそんな暇ある？」

深澤「息抜きだろ～」

阿部「俺はパスする」

そう言ってエレベーターに乗る。

深澤「…なぁ、阿部ちゃん、」

阿部「なに？」

深澤「もしかして、まだ"あの人"のことまだ引きずってんの？」

そのとき、一瞬だけ階数のボタンを押す指が止まる。

"私バカだからさ、"

あの人のあの言葉を思い出す。

阿部「…もう忘れたよ」

そう言ってボタンを押した。

＊