メロンソーダとマーマレード【abkj】 (ページ17)

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勝手にページ17

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…阿部先輩の横顔。

誰かを思い出しているような、そんな表情だった。

あれは、私でもわかる。

大切な女性を思い出していたんだろう。

きっと素敵な女性なんだろうな。

私なんかよりも、ずっと。

自分であれこれ想像しておいて、少し落ち込んでいる自分が嫌だ。

向井「なぁ、」

こーじの声で我に返る。

大学の図書館のラーニングスペースで彼と一緒にテスト勉強をしていた。

『ん？』

向井「お前ちょっと元気ないで？」

『どうして？』

向井「いつもより顔が暗い」

『そう？』

向井「なんかあったんちゃうか？」

『んーん、平気』

向井「ほんまに？」

『うん(笑)』

向井「…本当のこと言うてみ？」

彼は心配そうな目で私を見る。

『…少し、』

向井「少し？」

『…少し、思い込みすぎて勝手に落ち込んじゃった…ってだけ』

そう言ってノートに目線を落とす。

すると彼が私の頭を優しく撫でた。

向井「ま、そういうときもあるわな」

『…こーじ、』

向井「何かあったら俺に言うんやぞ？」

『…うん』

向井「大丈夫や、俺がついとる(笑)」

『…ありがと(笑)』

ときどき、彼の優しさに救われる。

＊