スマホから推しがでてきた【北信介】

6日目 夜 ページ23

ブー、ブー

スマホが小刻みに揺れている。

こんな時間に(まだ9時過ぎだけど)電話とは、一体誰だ。

スマホをみると、電話をかけてきた人は角名だった。

…らいんするとは言ってたけど電話なのか。

取り敢えず電話に出る。

『もしもし、柘榴です』

「はいこんばんは、角名です。」

私達はよく分からない挨拶を交わした。

「ごめん今キーボードバグっちゃって。文字打つと時間かかるし電話にした。急にごめん」

『ああ、そーゆーことね。全然おっけい。』

意外にもちゃんとした理由があった。

「そうだ、北さんの話するんだった」

少し間を置いて思い出したかのように言う角名。

君多分忘れてなかったと思うんだけどな。

本音は心の中に閉まっておいた。

角名には恐るべし情報網が頭の中に広がっているようだ。



まず、北先輩はどうやら佐藤先輩が私に声をかけるのを知っていたらしい。

放課後の教室で本人が友人たちと話しているのを聞いていたようで。

「俺2年のあの子狙ってみるわ」

「あれか、清楚系の柘榴ちゃん！」

「まじお前懲りへんな！次何やらかすかド肝冷えるわ」

「ちょお遊ぶだけや！明日の昼にでも空き教室で大人のお遊びでも教えたろ思てな！」

北先輩はその話をたまたま聞いていたらしい。

てか私そんな事言われてたのか。ゾクリと悪寒が走った。

それで、北先輩は急いで私とお昼を行動しようと。

でも先生に捕まってしまったらしい。

急いで向かったけど、その時には私と佐藤先輩は接触していたと。

だから北先輩ちょっと息切れてたんだ。

それから私が購買行くって言って、

北先輩が購買で飲食物を買うのは初めてだったらしい。

結局買ったものは治君にあげていたようだ。


そのような趣旨を聞いた私の顔色は青くなり赤くなり大変だった。

『そんなことがあったんだ…』

「うん。北さんすごい柘榴の事気にかけてるよ」

どういう意図があるかは知らないけど、と付け足された。

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