スマホから推しがでてきた【北信介】

1日目 放課後 ページ5

「ねえ柘榴さん」

誰かに声をかけられた。

声の方を見ると顔と名前がチベットスナギツネに似てる人が立っていた。

あれだ、角名倫太郎。

『角名君。なに？』

そう言うと角名君はなんでもないように

「いや、国語の時ニヤニヤしてたからどうしたのかなって」

と言った。あの痴態を見られていたとは、

かなり恥ずかしい。

平静を装いながら私はノートを掴む

『自分で書いた魑魅魍魎の落書きが面白くて』

そう私の推しのはずの怪物を見せると、

角名君はおっほほと寄生のような笑い声を上げた

「なにこれw絵下手すぎでしょwwwめっちゃ面白いんだけどw」

流石に笑いすぎな気もするけど、まあそれもそうか。

『凄いでしょ。結構画伯なんだ』

「それ自慢できないよ。てかこれ北さん？北さん好きなの？」

北さん？お昼にも話題に上がってた人だ。

『私北さん？北先輩？よく知らないけど、これ推しの信一さん』

そう言いスマホを取りだし信一さんを見せると、

角名君はまた笑いだした。

「やばっ、北さんじゃんw治っー、ちょっときてー」

そう言い宮君を呼び出した角名君。

宮君は気怠そうにこっちに来た。

「なんや角名。って、これ北さんやんけ」

スマホをまじまじと見ながら言う宮君

『そんなに信一さん北先輩に似てるん？』

「おん。生き写しレベルやで」

そんな言われると気になる。

みんな口を揃えて言うもんだし、さぞ似てるんでしょう

そんな事を思いノートを閉じた。

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