スマホから推しがでてきた【北信介】

4日目 夜 ページ16

らいんがさっきからぴこんぴこん鳴り止まない。

まあ内容は分かるけど。

ベッドにうつ伏せで寝っ転がりスマホを開く。

私は友達からのらいんを後回しに、

北先輩とのトークを開く。

カチカチキーボードを叩き書いては消し書いては消しを繰り返している。

結局私はシンプルに今日はありがとうございましたとだけ送った。

友達からのメッセージは適当にあしらっておいた。

自分の隣にポスンとスマホを置いた。

まだあの時の北先輩の少し冷たい手の感触がやけに鮮明に残ってる。

男の人の手、って感じで、すこしゴツゴツしてた。

きっと、凄い努力をしてるんだろうな。




ふと中学の頃を思い出す。

自分にも、ただ只管に部活に夢中だった時があった。

高校に入った今帰宅部だけど、

あの感覚は今でも思い出せる。

ふと感傷にひたっていたら、スマホが震え、ピコンと

通知音がなり、つい思わず急いでスマホを確認する。

北先輩からだ。

トークを開く。

北信介おん。自分可愛ええんやから気を付けなあかんで。おやすみ

っえ。









びっくりした…

北先輩ってこうゆうこと言うんだ。

心臓が信じられないくらいバクバクしてるのが分かる。

震える手とぐちゃぐちゃの脳で返信を打つ。

Aそんな可愛くないですよ笑でも、気をつけます!おやすみなさい!

ほんとに、やばい。

天然タラシ？

ある意味佐藤先輩よりタチが悪い気がする。

耐性がないからほんとに慣れない。

なんなんだ、一体。

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