みずいろの。【すとぷり】

26話 ページ28

さっきとは別の意味で胸がどきどきする。

校門をくぐった時点でかなり動悸が…

なんてことを言ってると、まだ高二じゃんなんて

笑われてしまった。

まあ、そうなんだけどね…

下駄箱の中を覗き靴を取ると微かな違和感。

…画鋲？

直ぐにわかった。

中学の頃がフラッシュバックする。

何度も何度も見た光景

また、虐められる…

でも、事情を知ってるのはジェルくんだけ

どうしようどうしようどうしよう

口からヒュッ、と変な音が出るのが分かった

冷や汗が出てきた。

思わず床にしゃがみこんでしまう

蒼樹くんは私の異変に気付いたのか、

心配そうにこっちに向かってくる。

『あ、あおきく、…』

「喋んないで。ほら、息吸って…吐いて…」

ゆっくりと背中を摩ってくれる

暫く経ち、やっと落ち着いた。

『ごめん…』

「ん、もう平気…？」

『うん…』

蒼樹くんは靴をちらりと見、察したようだ。

画鋲を無造作に掴み近くのゴミ箱に捨てた

そして私の手を取り立たせてくれた。

『…ありがと…』

蒼樹くんは頷いて私の手を取り教室まで歩く。

教室の前までくると思わず足がすくんでしまう

蒼樹くんはゆっくりと手を離し、

「大丈夫。僕がついてるから」

とドアを開けた

27話→←25話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す