４４＝もっと、早く ページ44
「ぇ……？」
震えた、か細い声が無機質な廊下に響いた。
こっちに来て欲しい。
今のオリオンが間違っていると分かっているのなら、
オリオンに協力しなくてもいいじゃないか。
こっちに来てくれたら、
兄さんとの婚約も
無くなるかもしれない─────
「────…っ勝てるわけ、無いじゃない…」
あぁ…本当に、
早く気付いていればなぁ…
「君も…兄さんに従うのか」
「っ………えぇ…、そうよ。世界中にオリオンの協力を求めている企業がいる」
…知ってる。
「オリオンに逆らって全てを無くした人達もいる…！」
…知ってるよ…、
兄さんにビジネスの才があって、
昔より慈善活動の範囲を広げる事が出来ていることも
逆らって、指示通りにこなせなくて、
生活を失った人達がいたことも、追放された刻印の選手がいる事も、
ずっと、知っていたんだ…。
「貴方に、何が出来るって言うのよ…！！ベルナルド様と比べて財力も権力も無い貴方に…！そんなんでどう勝つのよ！！」
「………、僕には僕にしか出来ない事がある。」
昔の兄さんを
オリオンを知っているからこそ
父さんの気持ちがより分かった今だからこそ
「ギリカナンとして、今のオリオンを変える」
刻印の選手も、兄さんも
オリオンの…恐怖に支配されているAも
「勝って君を助ける────」
「────ｯ私を助けるなら、オリオンに逆らわずにいてよ…！！」
「ｯ…！？、」
A……？
「私を…っ、私を助けるなら、私の事…ｯ少しでも、“フィアンセ”と思ってくれているなら…！行かないでよ、フロイ…！！」
「───ｯ……！、」
本当に…ｯ、
もっと早く、気付いていればなぁ…
「───────ねぇ、フロイ………」
昂ったAの目が一度瞼を閉じて
「キス…してみますか？」
次に顔を上げた時
Aはいつもの作り笑いを貼り付けていた。
Aは知らない
僕がどんな思いでフィールドを去ったか
「……うん、いいよ。」
僕はフィールドを経つ時
君を手放さないといけない事も覚悟して
フィールドを去ったんだよ
「しよっか」
４５＝切々な愛情（1〜45話23‘11/29修正しました）→←４３＝お互いに
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露図夢(プロフ) - ･:*+.\(( ^^ ))/.:+さん» 更新停止表示になってましたか…！！それでも読んでくれて感激です…！！年末になるにつれて忙しくなりそうなので、遅い更新ペースですが読みに来てくれたら嬉しいです！ (2021年9月20日 19時) (
レス) id: b186ec5ac1 (このIDを非表示/違反報告)
･:*+.\(( ^^ ))/.:+ - 更新停止中でも読めるとこまで読んでみようとして正解でした！更新、できたらお願いします！ (2021年9月12日 19時) (レス) id: 98cc6c3041 (このIDを非表示/違反報告)
露図夢(プロフ) - ルミカさん» いつでもコメントして頂いていいですよ！とても嬉しいです！ありがとうございます！！ (2021年2月21日 12時) (レス) id: 16d9d2f0e9 (このIDを非表示/違反報告)
ルミカ - フロイくんがめちゃめちゃかっこ可愛く書かれてて，とにかくめっちゃ面白くて最高です！！（いきなりコメしてすみません）応援してます！頑張ってください！！ (2021年2月18日 8時) (レス) id: 5a1a3bf3cb (このIDを非表示/違反報告)
露図夢(プロフ) - みっちゃんさん» きてくれたんですね！ありがとうございます！頑張りま〜す！！ (2020年10月26日 13時) (レス) id: b186ec5ac1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露図夢 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/rozumu31/
作成日時：2020年10月25日 20時
