２６＝落し物 ページ26
暗くなった空に街灯の光がフロイの綺麗な髪と長い睫毛をチラリと反射させて、
その目元はとろけてしまうほど優しく、微笑んでいる。
「(今日は…良い日、だったのかも)」
だって、フロイの活躍する姿を見れて、見た事の無いフロイの表情を見れて、
いま、こんなにも愛おしいと思える人に、言葉を失うようなあたたかく優しい笑みをかけられている。
今の私はきっと
動揺を隠せず、表情も取り繕う事もできず、
顔を赤くして、フロイを見上げているのだろう─────。
「…ところで、Aはどうして此処に？」
「ｯ…！！」
ふっと我に返って、慌てて立ち上がり
思考を巡らす。
「じ、実家へ…諸事情の連絡を…」
「……もしかして、帰るとか…」
「！？、いいえ、そういう話では…」
そう言うと「よかった」とフロイが笑って
また、くらくらする…。
可笑しい。今日のフロイは可笑しい。機嫌がいいのかしら…？試合でも活躍だったし、そうなのかも。うん。
「っそういうフロイこそ、此処でどうしたのですか？」
「あぁ、Aに聞きたい事があって」
「？」
フロイのジャージのポケットから出た一つの手帳。
そう、見覚えがありすぎた。
「(うちの学校の生徒手帳…！！！！)」
そして、今日がやっぱり厄日だった事を思い出した。
そうだよ、こんな所でまったりしてる場合じゃ無い。どうにかして無くした私の生徒手帳を探さないと。
でも、どうやって────
「───これ、今日の試合をやったスタジアムに落ちてたんだけどさ」
「」
イマ、ナンテ…？？
「うちの学校の生徒手帳なんだけど、持ち主が分からなくて…」
「(ま、まさか…そんな……)」
差し出される生徒手帳を
早く確認したくて震えそうになる手で受け取り
「中身…確認しますネ…」
恐る恐る開いたそこには
私が丹精込めて切った、フロイが写っている雑誌の切り抜き…
「(間違い無く私のですね！！！！！！)」
あぁ…終わった。フロイにこれを見られた……。
………ん？
「フロイ、持ち主がわからないって言いました？」
「うん」
…！！これは！！
「その写真抜いたんだけどさ」
「」
「名前の部分が漢字で読めなくて」
「！」
え！？学生証の名前はロシア語で記載されてたはず…
ケースのポケットを覗いて確認する───
「(これは…！)」
…在留カードだ…。
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露図夢(プロフ) - ･:*+.\(( ^^ ))/.:+さん» 更新停止表示になってましたか…！！それでも読んでくれて感激です…！！年末になるにつれて忙しくなりそうなので、遅い更新ペースですが読みに来てくれたら嬉しいです！ (2021年9月20日 19時) (
レス) id: b186ec5ac1 (このIDを非表示/違反報告)
･:*+.\(( ^^ ))/.:+ - 更新停止中でも読めるとこまで読んでみようとして正解でした！更新、できたらお願いします！ (2021年9月12日 19時) (レス) id: 98cc6c3041 (このIDを非表示/違反報告)
露図夢(プロフ) - ルミカさん» いつでもコメントして頂いていいですよ！とても嬉しいです！ありがとうございます！！ (2021年2月21日 12時) (レス) id: 16d9d2f0e9 (このIDを非表示/違反報告)
ルミカ - フロイくんがめちゃめちゃかっこ可愛く書かれてて，とにかくめっちゃ面白くて最高です！！（いきなりコメしてすみません）応援してます！頑張ってください！！ (2021年2月18日 8時) (レス) id: 5a1a3bf3cb (このIDを非表示/違反報告)
露図夢(プロフ) - みっちゃんさん» きてくれたんですね！ありがとうございます！頑張りま〜す！！ (2020年10月26日 13時) (レス) id: b186ec5ac1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露図夢 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/rozumu31/
作成日時：2020年10月25日 20時
