【d!】Nightmare Cage【ﾛ兄鬼】 (ページ13)

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檻、拾参ページ13

ふと鴇色の髪が見えた。玄関から外に向かう彼女。それを見て慌てて追いかけた。何か話が聞けるかもしれないから。
バレないようについて行けば――離れが見えた。そして、明らかな違和感。建物の大きさだ。窓だ。
――やけに長い階段だと思った。やっと理解した。俺たちは2階に上がったんじゃない、あれは。3階だ。2階に行く方法がある。

「あっ……！」

思った時には遅かった。何処へ向かったか見失ってしまった。とりあえず離れを探索しよう……そう思い離れへ踏み入った。明らかな異質な雰囲気を漂わせているここは少し質素だ。それだけの印象。ただ部屋が並んでいるだけ。
どの部屋から行こうか、迷っていれば見つけた足跡。……泥がついた足跡。雨が降っている中歩いたからだろうか。彼女は上に行ったのか……？そう思いその足跡を追った。
ひとつの部屋、そこに足跡は入っていったようでここかと思い開けば誰も居なかった。……なんで？と思う思考の中、とりあえずなにかないか探そうか、そう思う。ただ早く出たかった。ここにいるとすごく気分が悪い。
そう、それこそ、何かに見られて、飲み込まれて、深淵が、覗けそうな……。
身震いをしながらなにかないか、と探せば机の上に鍵束が置いてあった。それを手につかみ引き出しを開けていけばメモ書きがあった。
それも乱雑に掴み他を探してみたがそれだけだろうか。そう思い部屋を出た。
先程の気分の悪さは無くなったが、この離れに居るのがまず気持ち悪い。さっさと探索を済ませてしまおう――。

「……はは、なんや、これ。」

思わず笑いが出た。なんでこんな所に、こんなものが。しかも、何個も。
……紛れてる者の目星がついた。奴らは運命を変えなきゃ行けない。つまりは、俺たちの人生が狂わされる可能性があるということ。……好きにさせちゃ、いけない。
だが、仲間内で喧嘩みたいなこと……したくない。どうしたものか。

「あぁ、……っ！くそっ、くそ、どうすりゃええんや……。」

きっとものすごく情けない顔をしている。自分でもどうしたらいいか分からない。見つけた物を握り締めながら、ふと、確証を得たくなった。確か、あの部屋に……倒された写真立てが、あった。きっと、そうなのであればそこに写っているのは……。
俺が、俺が全部どうにかしてみせる。そうおもえば自然に俺の足は先程の部屋に足が動いていた。
倒れていた写真立て、それを起こせばそこに写っていたのは――。