戦乙女の攻防 ページ34
斬島達が花子と別れたまさにその時、イメルダとケルベロスは妖怪を追い詰めていた。
生まれ持った法力の力を使い、ケルベロスに周りの悪霊を食べさせていく。食べさせると言ってもケルベロスの体内に封じ込めるだけで、後で冥府に連れていくのだ。ただ無限に湧いてくるようで、ケルベロスのキャパシティが限界に近付いていく。
『これではキリがないですね。アレを使いましょう』
イメルダは手で印を結び目を閉じる。すると次第に周囲に光が満ちてくる。その眩しさに耐えきれず、群がっていた悪霊達が窓から逃げ出していった。そして………
―ヴあああ……アアアアア―
妖怪が次第に弱り始めた。
……そう、これがケルベロスを使徒することが出来る一族の力。癒し、浄化するイメルダの真の力なのだ。
元々退魔師基、祭事などを司るイメルダの一族が代々受け継ぎ、戦や天災などで神獣や魔獣を呼び出し人々を守ってきた。しかし、帝国にその力に目をつけられ次々駆り出され、秘術を奪われ戦場に散っていった。神々を味方に付けるその力は世界を変えるとも言われており、帝国が危険視したのだ。それが原因でイメルダの母はありもしない罪を着せられ処刑された。反逆者………という汚名を着せて。
強力な破壊力を持った力だが、使い方が正しければ世界を癒し救う事ができる………イメルダが幼い頃から母から聞かされていた事だ。
―斬島達を護りたい。
―マキを救いたい。
その想いがイメルダに本来の力を与えたのだ。
『貴方も苦しかったでしょう。さあ、導く光に向かって進んで行ってください』
―アオオオオオ………―
ケルベロスの遠吠えが響く。
すると妖怪は小さな子犬の姿になり光に包まれた後、ケルベロスの胸部に消えていった。
『ふぅ………あの子は元々は悪いものではなかったようですね。ただ淋しくて苦しくて助けを求めていた。そこを悪霊に乗っ取られてしまったんですね………でももう大丈夫。ケルベロスが行くべき場所へ連れていってくれます』
そう言うとイメルダはケルベロスの首輪を引くと、ケルベロスは光と共に消えていった。
訪れた静寂。イメルダは周りを見回す。
『どうやら群がっていた悪霊や妖怪達を一時的に退けられたようですね………？あれは………』
ふと視線を下げた先にキラキラ光るものを見つけた。
近づき屈んでみると、それはあのパーツだった。
『これは………っ！？また………』
また訪れた感覚にイメルダは意識を飛ばした。
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柊羽(プロフ) - 月華さん» ありがとうございます！！これからも駄文ですがコツコツ更新していきますので、よろしくお願いいたします。イラストへのコメントもありがとうございます。 (2016年7月4日 8時) (
レス) id: 9a8d1a9239 (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - ていうか画力が神ですね！尊敬します！ (2016年7月3日 13時) (レス) id: 733f44e5a8 (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - すごい大好きです！応援してます！ (2016年7月3日 13時) (レス) id: 733f44e5a8 (このIDを非表示/違反報告)
柊羽(プロフ) - リンカさん» ありがとうございます。拙い文章ですが、楽しんでいただけて嬉しいです。 (2016年3月28日 19時) (レス) id: 9a8d1a9239 (このIDを非表示/違反報告)
リンカ - 凄く面白いです！！ 更新頑張って下さい！ (2016年3月28日 14時) (レス) id: bf716977a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柊羽 | 作者ホームページ：http://nanos.jp/ys3127/
作成日時：2016年3月22日 19時
