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10話 ページ10




そう言って指で拭き取ってやる。

すると彼女は顔を真っ赤にさせ、口をパクパクさせた。

その様子がおかしくて、つい吹き出してしまった。

すると、彼女は少し怒ったような顔をして、何か言おうと口を開いた。

しかし、それより先に言葉を発したのは俺の方だった。

「可愛いね。」

自分でも驚いた。

こんなことを言うつもりはなかったのに。

でも、口から勝手に飛び出してしまったのだ。

気付いた時にはもう遅かった。

彼女は耳まで赤く染め上げ、俯いている。

『あの……今のは……んと、湊くんもカッコいいよ?』

今度は俺が顔を赤くさせる番だった。

お互いに顔を見合わせて笑い合う。

楽しい時間は瞬く間に過ぎていくもので、もう夕方になっていた。

「そろそろ帰ろっか。送ってくよ。」

家まで送るという申し出を断られるかと思ったが、意外にもあっさりと了承された。


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作者名:おふとん天使 | 作成日時:2023年7月11日 8時

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