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14話 ページ14
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だけど、湊くんはどこまでも優しかった。
それが余計に辛くて、苦しかった。
これ以上一緒に居たら迷惑をかけてしまう。
そう思った私はその場から立ち去ろうとした。
だけど、湊くんはそれを許してくれなかった。
私の手を掴み、引き留める。
そして、私をそっと抱き寄せた。
「昨日はごめんな。俺、Aちゃんのこと困らせたよな。でも、ちゃんと伝えたいことがあるから…聞いてくれる？」
彼の温もりに包まれると、不思議と安心感を覚える。
やっぱりこの人が好きなんだって思い知らされる。
だけど、また怖くなった。
これ以上好きになってしまったら、いつか捨てられるんじゃないかという不安に襲われる。
だから、私は彼を突き放そうとしたのに。
なのに、どうして抱きしめたりするの？
期待させないで欲しい。
あなたに愛される資格なんて無いのに……
だけど、湊くんの真剣な表情を見ると、何も言えなかった。
私は黙って首を縦に振った。
＊
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作者名：おふとん天使 | 作成日時：2023年7月11日 8時
