[ONE PIECE] 若様はドクターのあの子を振り向かせたい

診察日記１１ ページ13

『ちゃんと寝てる?』

｢寝てる｣

『小さい頃からその隈は無くならないわね』

｢チャームポイントだろ?｣


部屋に入れてもらい出された温かい紅茶を口にする。大人っぽくて色気が漂ういい男になったローを見て女がほっとかないだろうなぁなんて。


｢なんでAさんが?｣

『若様からの命令でね』

｢まだあいつのとこにいるのか｣

『私が出ていくことは許されないと思うわ』


遠慮なしに隣に座るローに笑いつつファミリーから抜けることは許されないことを伝える。
明確な理由を聞かれれば分からないがなんとなくそんな気がする。

ローは私をおもむろに強く抱き締め抜けようにも成長した彼は簡単に離すことは出来ずされるがままだった。


『どうしたの、らしくないじゃない』

｢男は好きな女の前じゃ弱くなるんだ｣

『私のこと好きと言っていたのは嘘だと思っていたわ』

｢昔から言ってたはずだ｣


とりあえず彼の背中を手を回すと感じる成長。
私は体を空気にし彼から距離をとると胸に感じる違和感。

ハッとしてローを見ると悪い顔で笑う彼の手に乗る私の心臓。


『気づくのが遅れた…』

｢これでAさんは迂闊に俺から離れられねェ｣

『私が空気になることを考えないのかしら』

｢そうしたらこうするさ｣


自分の気の緩みに怒りを覚えつつため息をつく。そして足から空気にすれば軽く握られる私の心臓。
痛覚はそのままらしく胸から走る痛みに思わず地面に膝をつく。

どうにかして心臓を奪還しシーザーに理由を話しさっさとドレスローザへ帰ろうと心に決めた。









｢今、Aに呼ばれた気がした｣

｢それは気のせいだから安心しろ｣

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