給仕日記２８ ページ29
｢迷うと危ねぇから嫌かも知れねぇけど手は繋いでくれよ｣
『本当に嫌』
｢そんなはっきり言うな｣
私とクラッカーは嫌々手を繋ぎながら森に散歩しに来た。なんて言うのか説明受けたけど、どうでもよかったので聞き流していたが花や木、そして地面が私たちを見ては声をかけてくる。
しかし生憎、私はこういう人外が苦手なんだ。
『……怖い』
｢はっ?｣
『話す木も花も地面も、怖い』
｢なら黙らせよう｣
私が立ち止まり怖いと呟けば不思議そうに私の顔を見つめるクラッカー。しかし涙目だったのが効果を発揮したのかクラッカーが手を叩くと喋るものがいなくなり静かな森が広がっていた。
｢ほら、これでいいんだろ｣
『意外と優しいのね』
｢普通だろ｣
『イチジの方が優しいけど』
｢お前…｣
ちなみに私がクラッカーに対してタメ口になっているのは本人が希望したから。
そのまま森を抜けると綺麗な海が広がる。
『綺麗…』
｢だろ?Aに見せたかったんだ｣
『ねぇ今、私が海に落ちたらあなたはどうする?』
｢……やめろよ｣
『サンジ様、そしてヴィンスモーク家に迷惑がかかるしやらないわ』
私が海に落ちる真似をするとクラッカーは慌てたように私の手を握る。
さすがの私も馬鹿ではないのでそんな真似はしない……なんてね!
私は少しの隙をついて海に自分の身を投げた。
赤き王子が私の名を呼ぶ声を聞きながら。
『私は全てイチジのものなのよ、ざまぁみろ』
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亜藍(ｱﾗﾝ)(プロフ) - みみさん» そうですね、後で訂正しておきます (2018年8月14日 11時) (
レス) id: 8e40931d42 (このIDを非表示/違反報告)
みみ(プロフ) - 魅力じゃなくて魅了かと (2018年8月14日 11時) (レス) id: 8777e73c70 (このIDを非表示/違反報告)
サトミ(プロフ) - 続編楽しみにしています！ (2018年3月28日 17時) (レス) id: f000ea7b93 (このIDを非表示/違反報告)
Ｍ・Ｍっち - 面白かったです！続きがみたいので続編よろしくお願いします！(;＞_＜;) (2018年3月20日 19時) (レス) id: 21b4a7431c (このIDを非表示/違反報告)
黒点 - 続編お願いします！ (2018年2月11日 12時) (レス) id: 6d9a5fa487 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜藍 | 作成日時：2017年10月29日 17時
