灰原ユウヤの弟…ではなく、妹は女好き系美少女なんです。[part2]【ダンボール戦機WARS】

《87》 ページ43

保健室内______


ここでは、ハルキ君とヒカル君がアラタ君の目が覚めるまで今か今かと待っていた。

ヒカル「……アラタ。」

何だかんだ彼に冷たくしておいて一番心配しているのはヒカル君だ。彼をまじまじと見つめていた。
辺りは緊迫感に包まれる。暫くは誰も喋らないだろう。
私はヒカル君の隣まで来ると、寝ている彼を覗き込んだ。さっきよりかは顔色は良くなってきている。

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アラタ「ん……」

彼は目を覚まして突如、体を起こした。

アラタ「いてっ……」

頭痛がするのか、まだ座ったまま、頭に手をあてた。

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ｶﾞﾗﾗｯ……


??「……アラタ君。」

扉が開いて____ジン兄さんが姿を現した。
保健室の奥から日暮先生も出てきて、無表情のまま、チョコレートをベッドの上に投げてきた。

ジン「聞いてくれ、アラタ君。……君はオーバーロードを覚醒させたんだ。」

アラタ「オーバー……ロード？」

ジン「そうだ。博士が言っていた……。オーバーロードとは、自分自身がLBXと合体する……そんな感じだ。」

彼はそう言って、ベッドにあるチョコレートを指差す。

ジン「オーバーロードを使えばいつもより疲労が溜まるだろう。食べるといい。」

日暮「それは疲労回復用だ。」

アラタ君は銀紙を外して一口、囓った。

ジン「これからは甘い物を持ち歩くといい。」

チョコレートを食べながら彼は顔をしかめて、

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アラタ「こんな力……要りません。」

と言った。

____まあ、分からなくはないけどね。

彼は口を開く。

アラタ「頭は痛くなるし、疲れるし……とにかく、要りません。」

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ずっとしかめっ面のままで彼は考え込んでいるような感じを醸し出していたのだった。

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