53 tn said ページ4
兄さんの席だけが空いている会議室。そこにはいつもの話に興味がないから寝ているコネシマや、会議の後にどんな悪戯をしようかと考えるゾムの姿は無く全員が真剣な表情で参加していた。
何しろコレは兄さんが消えて6日目、3回目の兄さんを見つける為の会議。
やけど、ロボロ達のハッキングもまだ上手く行っとらんし、ズローバは軍事力はそれ程でも無駄に国境の警備が堅くゾムの侵入も難航しとる。
今日も特に収穫が無く解散しようとしている時、ロボロが立ち上がった。
rbr「なぁグルッペン。ファルケン帝国第一王子って誰か分かるか?」
その言葉に衝撃を受けて思わずオスマンと目を合わせる。
なんでロボロがその情報を知っとるん。それは俺とオスマンとグルッペンの間だけの秘密やったのに…
gr「・・・それは、誰から聞いたんだ?」
rbr「誰って、前俺の所に来た観光客に。ファルケン帝国第一王子はどこだって聞かれたから今度はそいつが狙われるんやないかなって」
少しの沈黙が訪れ、グルッペンが溜息を零す。そして椅子に深く座り込むと言った。
gr「お前達には言っていなかったが、ファルケン帝国とは俺と兄さんの生まれた国、そしてそこの第一王子だったのが兄さんだ」
瞬時にざわめきが広がる。右の方からは「兄貴が国の王子?」とか、左の方からは「しかし、ファルケンとは聞いた事がありません」とか驚きの声が聞こえる。
やけど俺やオスマンも例外では無かった。昔グルッペンから聞いた話とは違っていたからだ。
os「どう言う事やグルッペン。昔聞いた話と変わっとるんやけど、あの国の王子は一人っ子でそれがグルッペンやなかったんか?」
オスマンが平静を装い紅茶を飲みながらグルッペンに尋ねる。俺もその言葉に同意しグルッペンの方を向く。
やけどその深緋色の瞳は揺らぐ事なくチェスの盤面をみる様にただ一点を見つめていた。
ut「待ってやお前等どないなっとるねん。兄ちゃんが第一王子でグルッペンも第一王子?アカン…混乱してきたわ…」
そう言うと鬱先生は机に突っ伏してしまった。
他にも同じ様に理解が追いついていなかったり、話し合っていたり、一人黙々と考え込んでいるメンバーを横目にグルッペンが口を開いた。
gr「静かにしろ。オスマン、確かに9年前俺の昔について教えたがあれは6割が真実で残りの4割が嘘だ。トントンに話したのも同じ様にな。
今から全員に真実を伝える。よく聞け俺の…俺と兄さんの
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raaami - これ本当に神作でした。爆笑したり涙目になりながら見てましたw (2021年11月18日 21時) (レス) @page21 id: 0c25e5a716 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - 面白い!!!!!好きです!完結スッキリしたw (2020年3月24日 15時) (レス) id: df7125e07b (このIDを非表示/違反報告)
月歩 - でぃちゃさん» 気付くのが遅くなってすみません。でぃちゃさんの言う通り「時より」ではなくて「時折」でした!教えて頂きありがとうございます! (2020年3月16日 19時) (レス) id: 55b2340671 (このIDを非表示/違反報告)
でぃちゃ(プロフ) - 作者様の書く物語に一喜一憂しつついつもとても楽しく読ませていただいています。ところで、もし間違いなら私の浅学を笑って頂ければと思うのですが時たま「ときより」という表現を見かけるのですが「ときおり(時折)」の間違いかと。これからも更新楽しみにしています (2020年3月13日 19時) (レス) id: 0e9c842430 (このIDを非表示/違反報告)
すこ - 面白い物語をありがとうございました (2020年2月16日 3時) (レス) id: 73c5ecbfda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月歩 | 作成日時:2020年1月30日 22時