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もう、朝かな?
ベッドから降り覚束ない足取りで、食堂のキッチンに向かう為にドアに手をかけ……ようとするけどそこで鎖に引っ張られて完全に目を覚ます。
そうだった。ここは城じゃ無いんだった…
鎖の事を忌々しく見た後に諦めてベッドに座り込む。この部屋には椅子がない。それどころか机も筆記用具も、何より時計すらない。
ベッドとトイレぐらいしかないこの部屋の隅を見つめてボーッとしていると空腹感が襲ってきた。
みんな、朝ご飯大丈夫かな？ああ、でも僕が来る前はトントンとひとらんでどうにかしてたって言うから大丈夫だったら良いけど。
するとギィィと言う耳障りな音が聞こえグリエーフが現れる。
「やぁA君。朝食の時間だよ」
相変わらず作り物のニコニコ笑顔で話しかけるアイツの手には朝食が乗ったお盆。
『けっこうです。空腹感は無いので』
「駄目だよ。怪我を治すのにもエネルギーは必要だし、君二日ぐらい何も食べて無いんだよ？」
机の上にお盆が乗せられ、何が有るのか確認してみるが、別に変わった見た目の物や薬の様な物は無かった。
『いえ、昔の様に変なモノが盛られたやつが有るかも知れないので』
あれは本当に辛かった。寒気に頭痛に身体中が痛くなって、あの時だけで何度ﾀﾋぬかと思ったっけ。
それにグルッペン達が助けに来てくれるまでにﾀﾋぬのは駄目だ。と言う強い意志もあって今回は警戒を怠らない。
しかしアイツは悪びれずに肩をすくめるとスプーンで朝食を掬い僕の口に突っ込んだ。
「あったねぇそんな事。でもアレはただの事故だよ。それに、ほら食べても大丈夫だったでしょ？ちゃんと食べないと弱って次の実験に耐えれなくなるよ」
そしてスプーンをお盆の上に置くと「早く元気になってね？」という僕が昔いた時の決まり文句を言うと部屋から出て行った。
『ゲホッ、ゲホッ…っはぁ、随分と荒療治すぎる…でしょ』
文句を言いながらも空っぽの胃と空腹で動きが鈍くなっている脳は食べ物が入ったのが余程嬉しいのか、まだ他の物が安全と分かった訳では無いのに食べ続けた。
が、今回は本当に何も盛られておらずただ普通に美味しかった。
おかしい。アイツが何も仕掛けてこない、もしかしてアレは本当に事故だったの？
嫌考えろ、次の実験ってアイツは言った。昔と同じなら大概、次は早くて二週間後だった。つまりその間に何か策を考えて、可能ならまたここから逃げ出してやれば良い。
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raaami - これ本当に神作でした。爆笑したり涙目になりながら見てましたｗ (2021年11月18日 21時) (
レス) @page21 id: 0c25e5a716 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - 面白い！！！！！好きです！完結スッキリしたw (2020年3月24日 15時) (レス) id: df7125e07b (このIDを非表示/違反報告)
月歩 - でぃちゃさん» 気付くのが遅くなってすみません。でぃちゃさんの言う通り「時より」ではなくて「時折」でした！教えて頂きありがとうございます！ (2020年3月16日 19時) (レス) id: 55b2340671 (このIDを非表示/違反報告)
でぃちゃ(プロフ) - 作者様の書く物語に一喜一憂しつついつもとても楽しく読ませていただいています。ところで、もし間違いなら私の浅学を笑って頂ければと思うのですが時たま「ときより」という表現を見かけるのですが「ときおり(時折)」の間違いかと。これからも更新楽しみにしています (2020年3月13日 19時) (レス) id: 0e9c842430 (このIDを非表示/違反報告)
すこ - 面白い物語をありがとうございました (2020年2月16日 3時) (レス) id: 73c5ecbfda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月歩 | 作成日時：2020年1月30日 22時
